「弱音を吐くのは甘えじゃない!」精神科医Tomy氏とLively岡えり氏が語る“うつ未満”の心の処方箋

  • 2026/8/1
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「うつ未満」ってどんな状態?

Tomy氏は「うつ未満」を、うつ病と診断されるほどではないけれど、楽しくない状態がずっと続く「病気の一歩手前」の時間と説明しました。情報過多の現代において、人は他人と比較し、自分を追い込みやすくなっていると指摘しています。

一方、岡えり氏は作業療法士として精神科病棟で働いた経験から、病気になる前に「どこかで踏みとどまれなかったのか」と感じるケースが多かったと言います。心の状態は徐々に悪化していくため、その手前の「グレーゾーン」で気持ちを切り替えられる場所の必要性を感じていたそうです。

医療の立場から「うつ未満」を語るTomy氏と、その一歩手前で「聴く」ことを通じて心のケアに取り組んできた岡えり氏。異なる立場から同じ課題を見つめ直すことで、新たな視点が共有されました。

対談中のTomy氏と岡えり氏

弱音を吐くのは「甘え」ではなく「技術」

Tomy氏がイベントで特に強調したのは、「弱音を吐く技術」という考え方です。「頑張らなくていい」と言われても、具体的にどうすればいいか分からない人も多いでしょう。だからこそ、弱音を吐くことを具体的な「技術」として捉えることが大切だと言います。

「弱音を吐くことは、悪いことではないんです。平気なふりをすると、問題は何も解決されなくなってしまいます」とTomy氏は語りました。また、責任感が強い人に向けて「休むこと」を「回復するための“仕事”だと思ったほうがやりやすい」と、気持ちを切り替えやすい言葉を提示しました。さらに、しんどさを抱える人への声かけについては、「頑張れ」ではなく「頑張ってるよね」「よく頑張ってきたよね」と伝える方が良いとアドバイスしました。

講演中のTomy氏

「共感」と「同調」は全く違う

岡えり氏は、相手の弱音を聴く際に「共感」と「同調」を区別することの重要性を伝えました。良かれと思って励ましたり、アドバイスしたりすると、かえって相手の心のシャッターが閉じてしまうことがあるそうです。

「『分かる、あの人ムカつくよね、辞めちゃえば?』と同調されると、その場は気持ちよくても、後からまたモヤモヤが戻ってきてしまう。同調ではなく、ありのままをジャッジせずに受け止める共感が大事なんです」と岡えり氏は語りました。

だからこそ、相談する相手を選ぶことも大切です。「ジャッジしない人」「同調しない人」に、場所とタイミングを選んで話す。そして、聴いてほしい時は「アドバイスはいらない、ただ聴いてほしい」と前もって伝えるといった具体的な工夫が、質の高い「聴いてもらう」体験につながると言います。

講演中の岡えり氏

なぜ人は弱音を吐けないの?

Livelyの現場で多くの人の話を聞いてきた岡えり氏は、人が弱音を吐けない理由を4つに整理して共有しました。

  1. 完璧主義・責任感
  2. 他人に迷惑をかけたくないという思い込み
  3. 評価が下がることへの恐怖
  4. プライドや防衛本能

岡えり氏自身も、3人の子育て中に「毎日頑張らなきゃ」と走り続け、ストレスを感じていることすら自覚できなくなった経験があるそうです。私たちは他人の弱音は受け止められても、自分自身の声はなかなか聴けないもの。だからこそ、まずは「辛いんだね」と自分の声を自分で聴くことから始めてほしいと呼びかけました。「聴くとは、『あなたは生きていていいんだよ』と伝えることだと思っています」と、その本質を語りました。

職場の「うつ未満」に企業は何ができる?

イベントでは、職場における「聴く」の実践についても議論されました。しんどさを抱える相手への関わり方として、Tomy氏は「本人に判断を仰がないこと」を挙げ、「『もうやっておいたよ、大丈夫だよ』という状態をつくるのが一番助かる」と助言しました。

岡えり氏は、経営者や管理職から休職した社員との関わり方について相談を受ける機会が多いと述べ、これらの知見を組織の現場に届けたいと語りました。職場のメンタルヘルス、健康経営、管理職のラインケア、1on1の質は、結局のところ「調子が悪いと安心して話せる空気が、職場にあるか」に行き着くと言えるでしょう。

対談中のTomy氏と岡えり氏

イベントの反響と今後の展開

イベント終了後のアンケートでは、回答者の満足度が100%を記録。約7割が最高評価の「大変満足」を選びました。また、過半数が「職場での人間関係やマネジメントに活かしたい」と回答しています。

参加者からは、「『頑張れ』ではなく『頑張ってるよね』という声かけは、自分がいつも心がけていたことだと安心できた」や「調子が悪いときに『大丈夫』ではなく『悪い』と言えるようにしたい」といった、具体的な学びや今後の行動への意欲が聞かれました。

株式会社Livelyは、今後もアクティブリスニングの普及に力を入れていきます。個人向けのアクティブリスニング講座や、法人向けのアクティブリスニング研修、採用・定着・エンゲージメント向上の伴走支援などを通じて、「聴く」力を社会に広げていく予定です。2026年7月7日には、一般社団法人アクティブリスニング協会も設立され、アクティブリスニングを再現性のある技術として体系化・普及する仕組みづくりを進めています。

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いろんなことに興味を持ち、いろいろ試しています。
曲がったことが大嫌いで、噓をつく人は嫌いです。
嘘があふれる世の中で真実を追求する姿勢が大切だと思います。

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