どん底からV字回復!群馬の電気工事会社が3年で売上ほぼ倍増を実現した秘密

  • 2026/5/5
  • どん底からV字回復!群馬の電気工事会社が3年で売上ほぼ倍増を実現した秘密 はコメントを受け付けていません

どん底からのスタート:完全下請け時代の苦悩

現社長が1995年に入社した当時、勝山電気工事は完全な下請け体質でした。施主から大手建築業者、大手サブコン、地元元請けを経て、ようやく工事が回ってくる多層構造の末端。売上の75%をたった1社の元請けに頼っていた時期もあったそうです。

当時の状況を社長は「抜け出したい気持ちはあった。でも抜け出せなかった」と振り返ります。

完全下請け時代の課題

転機はメイン元請けの倒産

2000年代初頭、公共工事の見直しがきっかけとなり、売上の大半を依存していた元請け会社が倒産。これが会社にとって大きな転機となりました。1年目には1,500万円、2年目には2,400万円もの赤字を計上し、全体の売上は半減して6,000万円に。借入も売上と同額の6,000万円に膨らむという絶望的な状況に陥りました。社長の自宅を担保に入れる話まで出たそうです。

この危機の中で、社長は経営者の学びのコミュニティ「商業界」と出会い、ある気づきを得ます。

「みんなと競争するから比較になるんだ。自分たちの提案を喜んでくれる人と仕事をすればいい」

このシンプルな気づきが、すべての転換点となりました。

「施主に話しかけるな」から「自ら提案する」へ

下請け時代は「余分なことは言うな」「施主と直接話すのはタブー」が現場の常識でした。しかし、勝山電気工事はこれを180度変えます。

職人自身が見積もりを覚え、資料を作り、図面を描く。現場で最もお客様の要望を理解できるのは、実際に手を動かしている職人自身だという確信のもと、「職人が営業もする元請け体制」へと転換したのです。

職人の意識改革

自分たちの提案でお客様が喜ぶ。この経験を積み重ねることで、職人たちは「必要とされることの嬉しさ」を知り、仕事へのやりがいを深めていきました。

元請け転換がもたらす収益改善

建設業の請負構造では、下請けが多層になると、同じ工事でも各層で20〜25%の経費がかかります。施主から1,000万円の工事が発注されても、下請けに回るごとに利益が削られ、末端に残るのはわずかです。

しかし、勝山電気工事が施主と直接取引する元請けになったことで、その中間マージンが丸ごと自社の収益になります。これが、赤字体質だった会社が「元請け転換」によって収益構造を根本から変え、大幅な改善を実現した仕組みです。

驚きの成長スピードと現在の数字

勝山電気工事の売上は、この数年で目覚ましい伸びを見せています。

  • 37期(2023年9月〜2024年8月)売上高:3億9,000万円

  • 38期(2024年9月〜2025年8月)売上高:6億1,500万円(前期比1.6倍)

  • 39期(2025年9月〜2026年8月)売上見込:7億4,000万円(前期比1.2倍)

売上高の推移

わずか2年で売上が倍近くに急成長しているのは驚きです。しかも、この期間に採用した社員は10代・20代の未経験者ばかり。即戦力を外部から入れたり、大規模な設備投資をしたりしたわけではありません。

「お客様に直接喜んでいただける元請けという立場」と「自社で育てた人材」という2つの軸だけで、この成長を実現したのです。

「建設業だからしょうがない」は言い訳だった

元請け転換で最も大変だったのは、職人のスタンスを変えることでした。長年「お客様がいたら隠れろ」「余計なことはしゃべるな」と教えられてきた職人たちに、社長は「今日からお客様がいたら、率先して笑顔で挨拶をしろ」と伝え続けました。

「みんなはお客様が知りたい情報を全部持っている。何が必要で、いくらかかって、工期はどれくらいで、選択肢は何があるか——それ全部わかるでしょ? 絶対できるよ」

社長自ら営業を見せ、職人の営業に付き添い、フィードバックを重ねる中で、職人たちは「自分たちの提案でお客様が喜ぶ」という体験を少しずつ積み重ねていきました。

今の勝山電気工事は、電気工事業を「サービス業」として捉えています。技術を持つ職人が、お客様の要望に直接寄り添い、最適な提案をする。元請けだからこそ、お客様の細かな要望を汲み取り、期待を超える“サービス”を提供できるようになったのです。

一時は倒産寸前という絶体絶命の状況から、変化と進化を諦めなかった先に、今の勝山電気工事のスタイルが確立されました。

今後の展望

2026年11月には、社長が退任し、創業家ではない一般社員の中から次の社長が就任する予定です。下請けから元請けへ、赤字から高利益率へと変革してきた歴史を受け継ぎながら、次世代の経営チームが「お客様のありがとうのためなら何でもやる」という哲学を引き継いでいくことでしょう。

次世代への継承

会社概要

  • 会社名有限会社勝山電気工事

  • 所在地:群馬県高崎市箕郷町下芝658

  • 代表者:勝山 敦

  • 設立 :1987年12月(2026年9月で創業40年)

  • 事業内容:電気工事業/カフェ運営(ple cafe)/インターンシップ受入 等

  • TEL:027-386-5103

TAKAweb master

投稿者プロフィール

いろんなことに興味を持ち、いろいろ試しています。
曲がったことが大嫌いで、噓をつく人は嫌いです。
嘘があふれる世の中で真実を追求する姿勢が大切だと思います。

この著者の最新の記事

関連記事

コメントは利用できません。

上城孝嗣・オフィシャルサイト

ページ上部へ戻る