インドネシア・西ヌサトゥンガラ州とのタッグがスタート!ロンボク島から広がる新しい可能性に注目

  • 2026/5/23
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ロンボク島ってどんなところ?

ロンボク島は、バリ島の東に位置するNTB州の一部で、州都マタラムを含んでいます。ジャカルタから飛行機で約2時間、バリ島からは30〜40分というアクセスの良さが魅力です。

人口は約411万人(2025年時点)で、多くの住民が先住民族のササク族です。島ではササク語が話され、独自の文化が息づいています。バリ島がヒンドゥー文化で知られる一方、ロンボク島はイスラム教徒が多く、「千のモスクの島」とも呼ばれています。

自然も豊かで、インドネシアで3番目に高いリンジャニ山や、世界的に有名なギリ3島は観光客を惹きつけます。アヤム・タリワンやプレチン・カンクンといった辛い料理も有名で、食文化も楽しめます。

産業面では、昔ながらの農業や漁業が中心でしたが、今は「観光」を軸にした産業への転換が進んでいます。米やトウモロコシ、タバコ、カシューナッツ、コーヒー豆の栽培が盛んで、真珠の養殖も世界的に知られています。南部のマンダリカエリアに国際サーキットができたことで、ロンボク島は世界の観光地として発展しつつあります。

西ヌサトゥンガラ州が抱える課題

発展の一方で、NTB州にはいくつかの課題もあります。特に大きな問題は、観光開発の恩恵が地元住民に十分に届いていないことによる格差です。NTB州の貧困率は約11%(2025年時点)で、全国平均の約8%を上回っています。農村部では仕事の機会が限られており、雇用創出が急務です。

また、若者の雇用機会不足や、観光業・海外就労に必要な語学・スキル教育の遅れも深刻です。インドネシア全体で海外への人材送り出しが増える中、NTB州でも人材育成の基盤整備が求められています。今回の会議では、日本との連携を通じてこれらの課題を解決するための具体的な方法が話し合われました。

イクバル知事との会議で分かったこと

イクバル知事との会議の様子

2026年4月、インドネシア総合研究所のスタッフはNTB州知事イクバル氏の執務室を訪れ、職業訓練、語学教育、日本とのビジネスパートナーシップ、そして職業訓練機関(LPK)間の連携について意見交換を行いました。

知事は、移住労働者(PMI:Pekerja Migran Indonesia)へのアプローチが「国際的義務」に基づくと強調しました。NTB州では、労働者だけでなく家族を含む市民全体を、派遣前・派遣中・派遣後のすべての段階で保護することを基本としているとのことです。単なる労働力の送り出しにとどまらず、人材の生活と将来を守る仕組みを作ろうとしていることが分かります。

会議で明らかになった重要な点の一つは、インドネシアから日本への移住労働者の送り出し目標です。NTB州は今年、2,000名の労働者を日本へ送り出す目標を課されています。インドネシア政府が国策として人材の海外送り出しを進める中、NTB州でもその準備が急ピッチで進められています。

しかし、NTB州では日本語教師がわずか3名しかいないという大きな課題があります。2,000名という送り出し目標に対して、教育のインフラが追いついていないのが現状です。

労働・移住局長は、この課題を短期的に解決するために、民間からのインストラクター支援が必要だと訴え、知事からも日本語教師・トレーナー向けのスキルアップ研修プログラムの策定が正式に許可されました。

「ゼロコスト」送り出しの新しい仕組み

今回の会議で特に注目されたのが、インドネシア独自の「ゼロコスト送り出し」というアイデアです。知事は、現地銀行Bank NTB Syariahと協力して作ったプログラムについて説明しました。

「そのアプローチは『ゼロコストで海外へ』というものです。派遣前の費用を前払いし、採用企業がBank NTB Syariahへ返済する仕組みで、近いうちにマレーシアとの間でまず適用が始まる予定です。」

これまで、インドネシアから日本やマレーシア、韓国などへ行く労働者は、渡航費や研修費、各種手続き費用を自分で負担するのが一般的でした。経済的な理由で夢を諦めざるを得ない若者も多かったのです。このゼロコスト・スキームは、そうした経済的なハードルを取り除く画期的な取り組みと言えるでしょう。

Bank NTB Syariah(NTB州のイスラム系地方銀行)は、イスラム金融の原則に基づいた統合型KUR PMI(Kredit Usaha Rakyat untuk Pekerja Migran Indonesia:移住労働者向け小口人民融資)スキームを通じて、インドネシア移住労働者候補(CPMI)向けの特別資金を提供しています。同行が今回見込んでいる配分額は、約100億ルピア(日本円で約1億円程度)にものぼります。

さらにすごいのは、このスキームが単なる「借金」で終わらないように設計されている点です。海外で働く労働者は、就労先の国と出身地域の両方でBank NTB Syariahを通じてアクセスできる専用口座を持つことができます。契約期間中に貯蓄し、帰国後はNTB州内でビジネス投資を選べる仕組みになっています。

知事は「日本・韓国への派遣でも、銀行間の協力を通じてこのスキームを適用し、労働者の保護と利便性を確保したい」と強調しました。

また、日本で働く参加者向けに、立替金の返済スキームや回収メカニズムの詳細検討も、知事の許可のもとで進められることになっています。今後は教育局長とのミーティングを通じて、教師の予算配分、実施の詳細、プログラムのタイムライン、代表者の選定について話し合いが続けられる予定です。

プログラム設計では、教育段階に応じた区分も設けられており、職業高校(SMK)卒業生は直接就職へ、普通高校(SMA)の生徒は大学進学か就職へと方向付ける方針が示されています。

インドネシア総合研究所は現在、インドネシア国内で10校以上の職業訓練機関(LPK)を運営しており、複数の大学と連携して語学訓練やスキル育成に取り組んでいます。設立以来、語学・スキル訓練を経て日本の職場へ送り出した人材はすでに300名に達しており、バンドンの大学とはエンジニアリング訓練と日本語教育を組み合わせた、日本の建設会社への就労を目指すプログラムも実施してきました。

NTB州においては、語学・スキル訓練を担う機関の指定と、日本のさまざまな分野の企業とのビジネスパートナーシップ構築を目指した連携をさらに深めていく予定です。

日本の投資家にとってのビジネスチャンス

会議では、人材送り出しや教育支援に加えて、インドネシア・ロンボク島への日本からの投資機会についても話がありました。特に注目されているのが、カリアンドラ(Kaliandra Merah:紅葉アカシア)由来のペレット加工事業への投資機会です。カリアンドラは発熱量が高い植物として知られており、バイオマス燃料としての活用が期待されています。

日本では再生可能エネルギーへの需要が高まっており、バイオマス発電の燃料として輸入ニーズが存在することから、日本の投資家にとって検討に値するビジネスチャンスとなるでしょう。

インドネシア人材と日本をつなぐ意義

インドネシアは、現在東南アジアで最も人口が多く、若い世代を中心とした豊富な労働力を持つ国です。一方、日本では少子高齢化による深刻な労働力不足が続いており、特定技能制度など外国人労働者の受け入れが急速に広がっています。

こうした日本とインドネシアの互いに助け合う関係において、NTB州、そしてロンボク島は新しい重要な拠点として注目されています。農業や漁業を基盤とした勤勉な文化と、観光業で培われたおもてなしの心は、日本の介護、農業、製造業、サービス業といった分野で必要とされる人材と、とても相性が良いと考えられます。

さらに今回の会議が示したように、NTB州は単なる労働力の供給地にとどまらず、行政、銀行、訓練機関が一体となって、組織的な人材育成・送り出し体制の構築に本格的に取り組んでいます。日本語教育の強化、ゼロコスト送り出しスキームの整備、スキルアップ研修の導入といった取り組みが組み合わさることで、きっと、より質の高いインドネシア人材が継続的に日本へ送り出される仕組みが生まれるでしょう。

インドネシア総合研究所の役割と今後の展開

インドネシア総合研究所は、インドネシアと日本を結ぶ架け橋として、今回のNTB州との連携深化に積極的に関わっていきます。具体的には、次の役割を担っていくとのことです。

  • 日本語教師・トレーナー向けのスキルアップ研修プログラムの設計・実施支援

  • 資金調達スキームの活用支援および立替金回収メカニズムの設計

  • 日本の受け入れ企業とのマッチング・ビジネスパートナーシップ構築支援

  • バイオマスペレットなどの投資機会に関する日本企業・投資家への情報提供と橋渡し

インドネシア・NTB州との取り組みはまだ始まったばかりですが、今回の会議を通じて、行政・金融・教育・産業それぞれの分野で具体的な協力の芽が育ちつつあることが実感されています。インドネシアへの進出や投資、または人材採用を考えている日本の企業や個人にとって、この提携が少しでも役立つことを期待しています。

ご興味のある方は、ぜひ気軽に問い合わせてみてください。

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いろんなことに興味を持ち、いろいろ試しています。
曲がったことが大嫌いで、噓をつく人は嫌いです。
嘘があふれる世の中で真実を追求する姿勢が大切だと思います。

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