中小企業・個人事業主の85.9%が「改正下請法」を知らない!?取引適正化への道はまだ遠い?

  • 2026/3/17
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法改正、85.9%が「知らない」「理解していない」!?

今回の調査では、2026年1月の法改正について、実に85.9%もの回答者が「理解していない」または「全く知らない」と答えました。「内容を深く理解している」と答えたのは、わずか14.1%に留まっています。

下請法改正の認知度に関する円グラフ

この法改正による取引環境の改善への期待については、「どちらとも言えない」が74.0%を占め、様子見の姿勢がうかがえます。しかし、法改正の内容を深く理解している回答者に限ると、「期待している」という声が32.7%に上りました。

取引環境改善への期待度を示す円グラフ

内容を深く理解している人々の間では、特に「一方的な代金決定の禁止(コスト増に伴う協議の義務化)」への認知度が高く、82.0%が知っていると回答しています。次いで「手形払いの事実上の禁止(現金払いの原則化)」が75.4%、「適用対象の拡大」が68.9%と続きました。

改正内容の認知度を示す棒グラフ

労務費上昇、交渉したくてもできない現実

直近1年間で、最低賃金の引き上げや採用難に伴う「労務費(人件費)」の上昇分について、取引先と価格交渉を行ったか尋ねたところ、「コストは上がっているが、交渉はしていない」と回答した企業が52.0%と半数以上を占めました。積極的に交渉を行ったのは12.5%に過ぎません。

労務費価格交渉の有無を示す円グラフ

交渉しなかった理由の最多は「業界全体の慣習として、労務費の値上げは言い出しにくいから」(34.2%)でした。その他、「次回の発注を減らされる恐れがあったから」(13.5%)や、「『代わりの業者は他にいくらでもある』と言われて契約を打ち切られそうだから」(10.3%)など、力関係を背景とした心理的な障壁が浮き彫りになっています。

労務費価格交渉をしない理由を示す棒グラフ

主要な取引先上位1社への売上依存度を見ると、「90%以上(ほぼ1社との取引)」と回答した企業が23.3%に上ります。このような取引先の代替性の少なさも、価格交渉を困難にしている一因と言えそうです。

主要取引先への売上依存度を示す円グラフ

実際に交渉を行った企業のうち、その結果は「不十分」と感じる声が61.2%を占めました。「労務費の上昇分を、ほぼ100%価格に反映できた」という回答は29.4%にとどまっています。

労務費価格交渉の結果を示す円グラフ

取引における圧力と政府介入への期待

日頃、クライアント(親事業者)からの圧力を感じることが「ある」「とてもある」と回答した中小企業・個人事業主は合わせて12.5%でした。具体的な困り事としては、「適正な利益が出ないほどの低い価格設定の強要(買いたたき)」が42.6%で最多。次いで「契約書を交わさない『口約束』によるトラブル」や「仕様変更や追加作業を、見積もり外(無償)でやらされる」がそれぞれ27.8%と続きます。

クライアントからの圧力を感じるかを示す円グラフ

圧力で困っている具体的な点を示す棒グラフ

政府が民間企業の取引関係に介入(調査や是正勧告)することについては、全体の49.2%が「良いと思う」と肯定的な意見を示しました。特に、日頃クライアントからの圧力を感じている層では、68.5%が「良いと思う」と回答しており、切実な状況がうかがえます。

政府が民間企業の取引関係に介入することへの意識を示す円グラフ

圧力を感じる層の政府介入への意識を示す円グラフ

法改正によって取引環境の改善に期待する点としては、「第三者(行政等)が介入することで、不当な要求が減ること」(39.0%)が最も多く挙げられました。また、「支払いサイクルが短縮され、キャッシュフローが改善すること」(37.3%)や、「労務費(人件費)や材料費の上昇分を価格に転嫁しやすくなること」(35.6%)への期待も高い結果となっています。

法改正への期待点を示す棒グラフ

「発注側」と「中小受託側」が良い関係を築くために最も求めることとして、「対等なパートナーとしての信頼関係の構築」が52.7%で最多となりました。

良い関係を築くために最も求めることを示す円グラフ

まとめ

今回の調査結果からは、法改正への認知度不足だけでなく、「交渉したくても言い出せない」という中小企業や個人事業主の現場の葛藤が明らかになりました。原材料費の高騰や法改正など経営環境が激変する中で、現場の切実な声や構造的な課題は、十分に社会に届いているとは言えない状況です。

今後も定期的な調査を通じて、数字の裏側にある経営の実態を可視化し、より公平で健全な取引環境の実現に寄与することが期待されます。

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