名刺より玉ねぎ!?地方で信頼を築き、仕事を生み出す「お隣さん」の実践知を福島出身のフリーランスが語る

  • 2026/6/11
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DAOマネ勉強会って?

地域おこし協力隊の仕事は「正解のない仕事」と言われるほど、自治体によってミッションや環境が大きく異なります。しかし、全国各地の現場には、数字では測れない貴重な実践知や人との関わり方など、再現性のある学びがたくさんあるんです。

株式会社あるやうむは、協力隊員一人ひとりの経験を横断的な学びに変えることを目指し、この勉強会を実施しています。現場で成果を出している協力隊員や、地域で長く事業を続けている実践者自身が語ることで、より実践的で現実に即した学びの場を提供しています。

今回の勉強会は、単なるノウハウ共有に留まらず、自治体から求められるミッションの整理、日々の地道な活動の裏側、地域住民や役場との信頼関係の築き方など、「成果が出るまでのプロセス」に焦点を当てた内容が特徴です。参加者は「自分の地域ならどう応用できるか」を考えながら参加できる設計になっています。

プレゼンテーション風景

星さんが語る「お隣さんになる」ための実践知

星さんが今回の勉強会で特に強調したのは、「合理性や効率を前面に出すほど、田舎では距離ができてしまう」「都会で身につけた言語的・合理的なコミュニケーションを、地域では意識的に切り替える」という姿勢です。星さん自身も、普段は標準語で合理的に動く一方で、地域で信頼を得たい場面では方言に戻すなど、「ギアを変える」ように地域文化へ合わせていると語りました。

1. 「言語より場の共有」── 田舎の信頼は“何時間隣にいたか”で生まれる

Uターン直後の起業塾での経験から、星さんは「彼らは言語だけで生きているのではなく、場を共有することで信頼関係を生んでいる」と気づきました。都会では「何ができる人か」を言語で説明することが評価につながりますが、田舎では「隣にいて何時間過ごしたか」が信頼の土台になるというのです。

だからこそ、起業塾や勉強会、マルシェ、コワーキングスペースなど、人が集まる「場」に積極的に足を運ぶことが重要です。特に、その場のハブとなっているキーマンの近くに身を置き、自分が「何者であるか」を知ってもらうことが最初の一歩になります。

星さんは、出会いを仕事につなげる流れを「準備 × 場 × 関心」と整理します。ポイントは、ガツガツした営業は逆効果になること。自分を売り込むよりも「まず相手に興味を持ち、仲良くなること」が先決で、「この人はちゃんと話を聞いてくれる」という信頼が、最初の紹介や案件を生むと話しました。名刺も単なる連絡先ではなく、「自分が何を解決できる人なのか」が一目でわかる“自分の紹介状”として活用することで、会った後も思い出してもらいやすくなります。こうした地道な準備が、地域での仕事につながっていくのです。

2. 「効率より体温」── LINE一本で済む話を、わざわざ会いに行く現場主義

星さんが地域の人と関わる上で最も意識しているのは、「効率より体温」という考え方です。オンラインショップの注文連絡はLINEで済むはずなのに、「ちょっと話したいんだよね」と声がかかる。電話一本で終わる用件でも、田んぼまで出向いて顔を見て話す。一見すると非効率に見えますが、「接触頻度が高いほど、『この人は自分に興味を持ってくれている』と感じてもらえ、少しずつ心を開いてもらえる」と言います。

その象徴が、田舎の「お茶飲み文化」です。たわいもない世間話をしながら、お茶とお菓子で一時間を過ごす。合理的には何も解決していなくても、その時間の共有こそが信頼を育てる。「非効率を重視することが、結果として体温のあるコミュニケーションになる」という価値観の転換を、星さんは強調しました。

3. 商工会議所の「専門家登録」── 資格がなくても“先生”として頼られる立ち位置

地域で頼られる立ち位置をつくる具体的な方法として、星さんが紹介したのは商工会議所の「専門家登録」です。

中小企業診断士などが多い登録制度の中で、SNSマーケティングやAI活用に詳しい人材は地方ではまだ少なく、「インスタの使い方がわからない」「AIをどう使えばいいかわからない」といった声に応えるだけでも、地域の事業者からとても喜ばれるそうです。田舎では「先生」という肩書きそのものが大きな信頼につながることがポイント。資格がなくても登録でき、専門家として派遣される仕組みもあり、「肩書きをきっかけに、地域で頼られるハブになれる」と星さんは語りました。実際にCanva講座を地域で開催した経験からも、「地域の事業者が学びの機会を強く求めている」ことを実感したと言います。

4. SNSは「デジタル回覧板」── お気持ち投稿はNG、人となりを届ける発信

星さんは、SNSを田舎特有の「回覧板」になぞらえます。地域の人は、隣人のSNSを思いのほかよく見ており、「インスタで見たけど、最近頑張ってるね」といった声がリアルな会話につながっていくそうです。

一方で注意点として挙げたのが、地域への不満や愚痴を投稿する「お気持ち投稿」です。地域の人はよく見ているからこそ、地域を少し悪く言っただけでも信頼関係が一気に下がってしまうリスクがあります。ネガティブな感情はSNSではなく、運営サポートなど安心して吐き出せる相手に向けるべきだと、リスク管理の重要性を語りました。

発信のコツとして星さんが挙げたのが、「2つの魅せ方」を掛け合わせることです。ひとつは、日常の様子や活動への思い・こだわりといった「人となり」が見える、身近な安心感のある発信。もうひとつは、デザイン性のある写真やストーリー性のある投稿で地域の魅力を再編集する、都会と田舎を融合させた発信です。そうして高頻度にコツコツ発信していると、インスタグラムのストーリーズなどにコメントやいいねが届くようになり、それに返すことでリアルな会話や仕事のチャンスにつながっていきます。「飛び道具としてSNSを使い、軸足はオフライン(足を運んで取る仕事)に置く」のが、星さんのスタイルです。

5. 「弱みを見せる・頼る・物々交換」── 応援される“お隣さん”になる世間話の技術

星さんが「応援される存在になる」ために挙げたのが、自己開示と「頼ること」です。協力隊員はリテラシーも情熱も地域の人より高いことが多いからこそ、あえて「ここで困っているんです」「◯◯さんがいると心強い」と弱みを見せることで、相手が「助けてあげなきゃ」と懐に入れてくれる。これは田舎特有のコミュニケーションだと言います。

もう一つが「物々交換」です。野菜をもらったらお菓子を返す。美味しいものを見つけたらキーパーソンに持っていく。返礼そのものが「いい関係だ」という信頼の証になり、「最近どうだい?」という会話のきっかけにもなります。

そして「世間話の技術」。都会的な結論ファーストの話し方は田舎では敬遠されやすく、むしろ共通の知り合いの話や、新米・季節の話題といった世間話こそが「信頼の入り口」になるのです。星さんは、地域の重鎮は自分を採点する「評価者」ではなく、応援してくれる「応援者」になり得る存在だと語ります。等身大の悩みを話し、相手にも頼りながら、「いなくてはならないお隣さん」になっていく。それが本勉強会で星さんが最も伝えたかったメッセージでした。

信頼が積み重なると、地域と「一体」になる

星さんは、信頼が積み重なったときに地域との関係がどう変わっていくかを、次の6つの段階で示しました。

  • 小さな成功も一緒に喜び、「自分ごと」として分かち合ってもらえる

  • 困ったときに、すぐ相談できる・一緒に考えてもらえる存在になる

  • 人・モノ・情報をつなぐ「地域資源のハブ」になる

  • 目の前のことだけでなく、「地域の未来」を一緒に描くようになる

  • 自然と頼られ、必要とされる「いなくてはならない存在」になる

  • 地域の成長と自分自身の成長が重なり、ともに歩むパートナーになる

信頼は一度の成果ではなく、日々の小さな積み重ねで育つもの。その積み重ねが「この人と一緒に未来をつくりたい」と思ってもらえる関係を生み、長く続く“応援されるお隣さん”への道になる、と星さんは締めくくりました。

講師紹介

星かおりさん

星かおりさんは、福島県西郷村出身のフリーランス(Webディレクター/SNSディレクター/AI活用・DX促進/広告運用)です。高校卒業後に上京し作業療法士として働いた後、持病をきっかけに地元・福島へUターン。約2年間の療養期間を経て、独学でWebデザインやグラフィックデザインを学び、地域の事業者とつながりながら活動の幅を広げてきました。現在は福島と千葉市の二拠点で生活し、米農家のオンラインショップ運営代行、ドッグサロン・整体院のWebサイト・ロゴ制作、地域おこし協力隊・移住者募集のチラシ制作など、幅広い実績を持っています。商工会議所の専門家登録も行い、Canva講座なども実施しています。

DAOマネ勉強会の参加者からのコメント

トシ タナカさんのアイコン

和歌山県橋本市DAOマネージャーのトシ タナカさんは、商工会議所の「専門家登録」の話に感銘を受け、さっそく挑戦すると語りました。人となりが伝わる発信として、朝散歩しながらのビデオポッドキャストにも挑戦したいとのことです。

橋本押忍!DAOはこちら!

はるっくまさんのアイコン

熊本県あさぎり町DAOマネージャーのはるっくまさんは、SNS発信が少し苦手とのことですが、今回の話で「自分はこういうことができる人」というタグ付け・認知をしてもらうことの大切さを実感。まずは商工会議所に足を運び、自分を知ってもらうことから始めたいと意欲を見せました。

HitoKumaDAOはこちら!

今後の展望

株式会社あるやうむでは、今後も派遣協力隊員同士の知見を共有する勉強会を継続し、各地域で生まれた実践を横断的に活かすことで、地域全体の価値向上につなげていく予定です。

各地域のDAOに参加しませんか?お住まいの地域や興味のある地域のDAOにぜひご参加ください!

▼ DAOへの参加リンクはこちら|どなたでも気軽に参加できます。

株式会社あるやうむについて

株式会社あるやうむは、DAOやNFTによる地方創生を推進するため、全国の自治体向けにふるさと納税NFT/観光NFT/地域おこし協力隊DAOソリューションを提供する札幌発のスタートアップ企業です。地域の魅力をのせたNFTをふるさと納税の返礼品とすることや、地域でDAOを運営することを通じて、新たな財源を創出すると共に、シティプロモーションや関係人口の創出に繋げています。

会社名 :株式会社あるやうむ
代表者 :畠中 博晶
所在地 :札幌市北区北38条西6丁目2番23 カトラン麻生302号室
設立 :2020年11月18日
資本金 :1億6449万円(準備金含む)
事業内容 :NFTを活用した地方創生コンサルティング・開発
URL :https://alyawmu.com/
Twitter :https://twitter.com/alyawmu/
Voicy : https://voicy.jp/channel/3545

TAKAweb master

投稿者プロフィール

いろんなことに興味を持ち、いろいろ試しています。
曲がったことが大嫌いで、噓をつく人は嫌いです。
嘘があふれる世の中で真実を追求する姿勢が大切だと思います。

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上城孝嗣・オフィシャルサイト

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