人脈も資金もゼロから東証プライム上場へ!ベース株式会社 中山社長の30年を振り返る『日中経営者』インタビュー
- 2026/4/8
- 独立・起業
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10年かけて日本を理解する「焦らない」起業準備
中山社長は1987年に来日しました。当時の中国は経済的に余裕がなく、国外に出たら後戻りはできないという強い信念を持っていました。しかし、来日当初は言葉も通じず、資金も人脈もありません。
そこで中山社長が立てたのは、起業する前に10年かけて日本社会を徹底的に理解するという長期計画でした。この間、アルバイトをしながら就職活動を続け、最終的に社員約100人の中小企業を選びました。大企業では業務が限定されるのに対し、中小企業であれば業務全体を幅広く把握できると考えたからです。
入社当初から「10年後に独立して起業したい」と社長に伝え、その言葉通り、10年かけてさまざまな業務を経験しました。特に、会社が経営難に陥った際に新たなセクションの責任者を任され、チームの業績を大きく伸ばし会社を黒字回復させた経験は、その後の経営の大きな礎となったそうです。
この10年間を振り返り、中山社長は「日本で起業するうえで最も重要なのはスピードではなく、焦らず着実に物事を進めること」だと語っています。資金も人脈もない中で、時間をかけて経験を積み重ねたことが、その後の企業経営を支える確かな基盤となったのです。

30年間黒字を維持!無借金経営の秘訣
ベース株式会社は長年にわたり無借金経営を貫いており、これは成長企業としては非常に珍しいケースです。中山社長は、無一文で日本に来た経験から「赤字は絶対に出さない」と強く心に決めていたそうです。
会社設立当初は従業員がわずか4人で、利益確保は容易ではありませんでしたが、自身の給与を減額してでも堅実な経営姿勢を貫きました。中山社長は、事業拡大は企業自身が決めるべきであり、外部資本に左右されるべきではないと考えています。もちろん、資金調達や事業拡大を合理的な戦略として選択する企業もありますが、中山社長はこれまで培ってきた知識や経験を大切にしたいと語っています。
創業30周年を間近に控え、ベース株式会社は数百億円規模の企業へと成長しました。中山社長の目標は富豪になることではなく、「一流の経営者になること」だそうです。
「芝生戦略」で着実に成長する経営哲学
ベース株式会社は、年間およそ20%の成長目標を設定し、利益を最優先する企業文化を築いています。企業の発展段階を人の成長になぞらえ、最初の10年を学習期間とし、20年目、30年目には一定の成長を維持することが可能になると考えています。
成長を維持するためには、企業が最盛期にあることと、市場規模が十分に大きく、市場占有率が低いことが重要だと中山社長は指摘します。巨大な市場においては、わずかなシェアの伸びが企業の長期的な成長を支えるという考えです。
中山社長が提唱する「芝生戦略」も注目されています。これは、大企業のようなピラミッド型組織ではなく、会社を複数の独立した小規模な事業体に分割し、分散型の利益構造を構築するというものです。各事業体は標準25名の従業員で営業利益約1億円を目指し、現在では48の事業体がそれぞれ利益を上げています。
芝生は背丈こそ高くありませんが、強く、着実に広がり、根が地中深くまで張るため損傷してもすぐに再生します。企業も芝生のようにしっかりと根を張りながら広がっていけば、強固な基盤を築き、安定した成長が可能になるという哲学が社名の「ベース」にも込められています。

AI時代に求められる「情報を選び取る力」
30年の経験を踏まえ、中山社長は経営者に最も必要な能力は「市場を見極め、理解する力」だと考えています。市場の動向を把握できなければ、的確な戦略判断はできないからです。
また、AI時代の到来は新たな課題を突きつけています。情報が氾濫し、その真偽やAIによって生成されたものかどうかの判別が難しくなっている現代において、経営者には「情報を取捨選択する力」が求められると中山社長は語ります。それが、不確実な環境の中で冷静さを保ち、正しい方向性を見極めるための重要な手がかりとなるでしょう。
創業当初、社員がわずか4人だった頃から、将来上場を果たした暁には中国人社員と日本人社員の比率を同じにしたいと語っていたという中山社長。その言葉通り、約束は守られ実行されました。もしもう一度起業するとしたら、迷わずIT業界を選ぶと語る中山社長の揺るぎない信念は、これからも多くの人々に影響を与え続けることでしょう。





























