インフレで日本人の9割が貧乏になる
ゆかしメディアに気になる記事が載っていたのでシェアします。
日本が押し進めようとしているのは米国型のリフレ経済で、ノーベル経済学賞受賞のポール・クルーグマン氏、FRB(米連邦準備制度理事会)のベン・バーナンキ議長らが唱える世界では主流となっている経済学である。
「1%(の大金持ち)と99%(のその他)の差がさらに広がるのがインフレ経済。
金融商品が上がって富裕層だけ資産が増えても、エネルギーや食料の価格が高騰していきますから、6人に1人はフードスタンプを受給する米国では、貧困層は本当に生活ができなくなります。
米国とはこういう社会。本当の意味での景気回復とは国民生活が良くなることです。
なぜ、米国型の経済を目指す必要があるのかが、わかりません」
さらに日米を国家の観点から見ると、米国債はほぼ半分が海外投資家、日本は1割未満。つまり米国はドル安・インフレになった方が借金は目減りする上に、基軸通貨であるために、大量にドル紙幣を印刷しても、買い手は存在するのだ。
こうしてインフレの恩恵を受け続けるのが米国という国だ。
多くの日本人にとって実際のメリットは少なさそうだが、このままインフレ政策を押し進めるとどうなるのか。
将来は70歳定年制、消費税25%
日本の財政が年々悪化していることは説明するまでもないが、平成25年度一般会計予算では、国債費が全体の24.0%を占める約22兆2415億円。
インフレにより、たとえ金利が1%上昇しただけでも、ここから利払いが増大する。
比較して租税収入は約43兆円で、ここ数年の間変化がない。
社会保障費や国債の利払いなどの増加が見込まれ、今後も予断を許さない状況だ。
また、日本国債の先物市場に目を転じれば、外国人投資家の売買シェアは3割以上を占めており、売り浴びせのターゲットになり、そこから崩れる可能性もないわけではない。
中原氏は「財政危機はあるかもしれませんし、ないかもしれません。
ただ、破綻は絶対にないと思います。
世界のどの国も日本の破綻を喜ばないし、IMF(国際通貨基金)でさえ助けるほどのお金や力は持っていませんから」という。
破綻がない一番の根拠としては、国民の大増税という自力再建の選択肢が残されているからだ。
まだまだその増税の余地がある。
「とても今の社会保障制度では保たないので、最低でも定年退職を70歳に引き上げて、消費税を20~25%に引き上げるしかないですね。もっと厳しくなっていきますから、高齢者にも負担をしていただかなくてはならなくなるでしょう」
年金の積立運用を行うGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)では、すでに基金の取り崩しが始まっており、現役世代だけの負担ではまかないきれなくなる。
そうしたことからも、制度維持のためには、高齢者も負担が必要になってくる。
ただ、こうして手をこまねいているだけでは、先は暗い。
経済的な影響力の強い富裕層の誘致においては、シンガポールなどに後れを取ってしまった感のある日本だが、元々持っているポテンシャルを考えれば、税制改正や規制緩和を行うことで勝機があるのではないか。
中原氏は「米国の西海岸でも、相続税がなくなれば日本で住みたいという富裕層がたくさんいる話を聞いたことがあります。
こんなに安全で自然が美しく、趣のある文化もあって、食べ物や水がおいしい国は他にありませんから。
富裕層一人で十人分の消費をしてくれるかもしれません」と述べた。
相続税の引き上げをすでに決定しているが、そもそも税収全体に占める割合は低く、効果は限定的だと言わざるを得ない。
特に、地主など地方の資産家は三代で資産がほぼはく奪されるケースもある。
「地方では資産家が、地域の雇用を担っていることが多く、資金繰りをする場合には土地を売却して現金化するのが一般的です。その手段がなくなることで、地域の雇用も奪われることになり、三代で資産がなくなるような制度は要らないのではないかと思います」
相続税の引き下げ、さらには法人税の引き下げによって雇用が生み出される効果を無視できないという。
また、規制緩和の一つとして、TPP(環太平洋パートナーシップ)についても「日本で作った物の価値が高まるということを、日本人一人ひとりが自覚するようになるでしょう」としており、特に農業、医療分野で特に日本は規制緩和を行い、株式会社化すれば、外貨を稼ぐ大きなチャンスだとしている。
ただし、米国の大企業の論理に屈しないように、日本にもタフな交渉力が求められることは忘れてはならない。
インフレ政策とは、米国の金持ちを潤すものだというのが中原氏の主張。盲信するだけでなく、ひとり一人が「お金」の本当の姿を見ていかなくてはならない。
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